前回の五行類型論(体癖)の判定のコツで掲載しましたように、私は顔の形の特徴から入ります。そして先入観が入り込まない体の動きで確認・確定させていきます。
主に野口晴哉氏が述べられた動作の特徴や癖(『茶色の文字』内の内容は、書籍「体癖Ⅰ」、「体癖Ⅱ」、「整体入門」、野口晴哉著、全生社より引用)による判定を試した経験を基に、判定のコツを分り易く解説してみます。
以前の解説にぬけがあったことと、判り難かったことを踏まえて、下記のとおり修正しました。
最初に、『両足を肩幅ぐらい離して普通に立った状態(立姿)を観察する』
右足と左足にかかる体重がほぼ同じか、右足に偏るか、左足に偏るかを感じてもらいます。
次に、『深めのお辞儀(前屈み動作)を行います』
『左右運動が主体の人は、おじぎをしても左右いずれかに偏ります』(注:左右運動が主体の人とは、3・4種のことです)
つまり、最初の立姿の状態時に体重が右足か左足に偏っていると感じた人で、お辞儀をするとその偏っていた足とは逆の足に重心が移動した場合には、3・4種の可能性が高いと言えます。
『「前屈み動作」の時に、前が重くなれば上下型、後が重くなれば前後型です』(注:上下型とは1・2種、前後型とは5・6種のことです)
つまり、お辞儀をして「明らかに後ろに重心」がある人は、1項目か2項目に5・6種が入っています。この人たちを「Aグループ」とします。極端ではっきりと判るぐらい後ろに体重が掛る場合は、1項目に入っている可能性が高いと思います。
なお、お辞儀をして前がはっきりと重くなれば1・2種の可能性は確かに高いと思いますが、これは実際判断するのが難しいためいつもこの判断はスルーしています。
5・6種の人だけお辞儀をすると踵に重心がくることを野口晴哉氏は以下のように説明しています。
『前屈み傾向があると、お辞儀をするのに、お尻を後ろに突き出して頭を下げます。初めから前屈みしているので、さらに前に屈むと倒れそうになるので、そうしないためにお尻を後ろにやるようにしてお辞儀をするのです』
この前屈み動作(お辞儀)により、逆に「明らかに後ろに重心」になっていなければ、5・6種が1項目にも2項目にも入っていないことが明らかになります。そしてこの人たちを「Bグループ」とします。
次に「Bグループ」の人だけが、
『両足を肩幅ぐらい離して普通に立った状態で、両手を挙る運動(拳上動作)を行います』
『拳上動作の場合には、上下型や前後型以外の体癖では、後が重くなるのが普通です』(注:上下型とは1・2種、前後型とは5・6種のことです)
両手を挙げた時に、両手を挙げる前の普通に立った状態より後が重くならないか、または前に重心がある場合、「Bグループ」の人たちは、5・6種が入っていないグループですから、1・2種が入っている可能性が高いと言えます。この場合、『頭を休める為に足を机に挙げる癖』があるようですと1・2種が入っていると言えます。この人たちを「Cグループ」とします。
両手を挙げた時に、両手を挙げる前の普通に立った状態より後が重くなるか、または後に重心がある場合、この場合の人たちは、5・6種が入っていないことと、さらに1・2種が入っていないことが明らかになります。この人たちを「Dグループ」とします。
現在までに分類された「Aグループ」、「Cグループ」、「Dグループ」において、
次に、『両足を肩幅ぐらい離して普通に立った状態から、しゃがむ動作を行います』
『しゃがむ姿勢において、前に全部力がかかってしまって、後はゼロに近くなるというのは、腰が非常に硬くてしゃがめない人以外は開型なのです。反対にしゃがんだ時に半分以上後ろにかかってしまって、前の外側に多少残っているというバランスを取るのは閉型なのです。又しゃがんだ場合でも、しゃがみ切れずに内側が重いという場合がありますが、これは開型です』(注:開型とは10種、閉型とは9種のことです)
「Aグループ」、「Cグループ」、「Dグループ」 の人たちにおいて
踵を着けようとしてしゃがむと転げてしまったり、転げそうなので意識的に前に重心をかけ踵を浮かせぎみの方は、10種が入っています。
以上より、しゃがむ動作できちんとしゃがめなかった人において
「Aグループ」では、5又は6種と、10種の二つが入っていることが確定します。
「Cグループ」では、1又は2種と、10種の二つが入っていることが確定します。
「Dグループ」では、10種が入っており、また1・2種と5・6種が入っていないことが明らかになります。この人たちを「Eグループ」とします。
しゃがむ動作できちんとしゃがめた方のうち、しゃがんだ時に小指と親指のどちらかに体重が掛っています。小指に掛るのは、9種です。判定し辛い場合は、手の指で足の小指や親指を下から押し上げてみてください。体重が掛っていると押し上げることができません。
以上より、しゃがむ動作できちんとしゃがめ、しゃがんだ時に小指に体重が掛っている人において
「Aグループ」では、5又は6種と、9種の二つが入っていることが確定します。
「Cグループ」では、1又は2種と、9種の二つが入っていることが確定します。
「Dグループ」では、9種が入っており、また1・2種と5・6種が入っていないことが明らかになります。この人たちを「Fグループ」とします。
しゃがむ動作できちんとしゃがめた方のうち、9種以外の方はみな親指側に体重が掛り、力が入っています。この人たちは、9・10種が入っていないことが明らかになります。
以上より、
しゃがむ動作できちんとしゃがめ、しゃがんだ時に親指に体重がかかる場合
「Aグループ」の人たちは、5又は6種が入っており、もう片方には9・10種が入っていないことが明らかになります。この人たちを「Gグループ」とします。
「Cグループ」の人たちは、1又は2種が入っており、もう片方には9・10種が入っていないことが明らかになります。この人たちを「Hグループ」とします。
「Dグループ」の人たちは、自身の2つの体癖において1・2種と5・6種と9・10種が入っていないことが明らかになります。よってこの人たちは、を3種又は6種と7種又は8種であることが確定します。
ここまでに分類された「Eグループ」、「Fグループ」、「Gグループ」、「Hグループ」において、
次に、『両足を肩幅ぐらい離して普通に立った状態で、腰を中心に左右に体を捻じります(捻転動作)』
ここで「稔転動作」による考察をさらに分かり易くする為に、「両足の踵をつけ足先があまりひらかないようにして立った状態で」やってみてください
『「捻転動作」の配分をみると、右に捻った場合に後に重く、左に捻った場合には前が重い。同じ捻るという動作をしても、片方は後が重くなり、もう一方は前が重くなる。前が重い方が、緊張して捻らなければ捻りにくい側です。後が重いのは、楽に捻ったということであり、この人の腰は右に捻れる傾向があるといえます』
捻じり易さが左右で異なる場合、7・8種の可能性が高くなります。この場合、『机に座る時に机に対して斜めに座ったり、体を捻じって座る』ようなら、7・8種が入っていると言えます。
以上より
「Eグループ」の人たちは、10種と7種又は8種の二つが入っていることが確定します。
「Fグループ」の人たちは、9種と7種又は8種の二つが入っていることが確定します。
「Gグループ」の人たちは、5種又は6種と7種又は8種の二つが入っていることが確定します。
「Hグループ」の人たちは、1種又は2種と7種又は8種の二つが入っていることが確定します。
そして7・8種が入っていない人たちには、必然的に3・4種が入っていることになります。
確認のため、もう一度の両手を挙げる動作(拳上動作)を行ってもらって、3・4種は
『(要約文)3・4種の人は、右腕と左腕で挙げ易さが異なる』ことを確認してください。
さら一番初めに立ち姿で左右に体重が偏っていたことや、お辞儀の動作により左右運動となることや、『(要約文)3・4種は、夢を見る時や空想する時にはっきりしたカラーで見ている』ことを確認してください。
以上より
「Eグループ」の人たちは、10種と3種又は4種の二つが入っていることが確定します。
「Fグループ」の人たちは、9種と3種又は4種の二つが入っていることが確定します。
「Gグループ」の人たちは、5種又は6種と3種又は4種の二つが入っていることが確定します。
「Hグループ」の人たちは、1種又は2種と3種又は4種の二つが入っていることが確定します。
以上で、1・2種、3・4種、5・6種、7・8種、9種、10種のうちの2つ体癖が決まると思います。
その後9・10種以外は、体癖記事「同じグループの偶数体癖と奇数体癖の区別のコツ」を参考に同じグル―プにおける奇数体癖と偶数体癖を区別することで、体癖判定を確定します。
「体の動作」は、1項目の体癖の方が2項目より強めに出ると思いますが、捉えるのが難しいかもしれません。あとは自分の活動性に多くあらわれるか、心理面の傾向に強く現れるかで、1.2項目を判断するといいと思います。
みなさんも、是非ご自分の体で体験してみてください。
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